自分の唄
ホームページの更新がまた滞ってしまいました。
2022年は、田んぼの除草作業が例年よりうまくいき、豊作の年になりました。そのかわり、畑の作業は大幅に遅れ、秋の作業は冬に、冬の作業は早春へと、あれもこれもトコロテン式に押し出され遅れていきました。また、我が家の最初の本格的な出荷野菜で毎年ご好評を頂いている「愛ちゃんごぼう」は、新規に借りて2年目の畑に植えたのですが、耕盤がまだ浅い上に、昔の石垣らしき大きな石の層が地中にあったりして、曲がったり枝分かれしたごぼうが多く、苦労して掘りだしても出荷出来る物が半分くらいしかありませんでした。2022年はそんな状況で、大幅に出荷額が少ない年になってしまいました。
我が家の畑の状況に加え、もう一つ大きな問題がありました。
私が就農して営農をスタートしてまもない2001年、奇跡的に出会った同じように新規就農で無農薬の有機栽培をしていた仲間達と、協同で出荷・配達をする生産者グループ「むぎわらぼうし」を結成しましが、その「むぎわらぼうし」も大きな岐路をむかえていました。
「むぎわらぼうし」は、グループと言ってもそれぞれが独立して経営している農家の集まりで、無農薬、無化学肥料で栽培すること以外は何もしばりがなく、それぞれが好きな時期に好きなお野菜を栽培して持ち寄り、協同出荷するというスタイルでした。最初の頃は、有機野菜を直接個人のお客様に届ける農家があまりいなかったこともあり、個人のお客様と有機野菜を取り扱う店舗様への出荷で順調に売上を確保出来ていましたが、次第に右肩下がりになっていきました。
今年の3月まで、10年以上にわたって、むぎわらぼうしの事務局は、私が務めてきました。なのでお客様からのクレームへの対応や、新たなお客様も個人ではなくグループのお客様として対応するなど、個人の経営よりもグループ運営の方に軸足を置いた活動をしてきました。そんな10年の間に大分での有機農業を取り巻く環境は、大きく様変わりし、若くて有望な有機農家の方がたくさん増えてきました。その他にも要因は様々あると思いますが、むぎわらぼうしの売上はピーク時の半額近くまで下がってしまいました。少なくなった御注文をグループ内で分配してやっていくのは、我が家には限界が来ていました。また、生協などと同じようにお客様からの御注文に合わせて出荷する方式だったので、良い物がたくさんできても、注文数が少なければ結局出荷出来ないまま終わるお野菜も多々ありました。
そんな状況を鑑み、有機農家としての持続可能な経営を目指し、3月いっぱいでむぎわらぼうしを卒業させてもらい、2023年4月より、『西森ゆうじん農場』単独での航海をスタートしました!!農家が本来やるべきお野菜や稲の栽培管理の時間をしっかりと確保して、安全で元気な美味しいお野菜とお米をこれからも継続して栽培していけるように、新たなステップへと進んでいきます。
畑での作業時間を最大化させるためには、今まで要していた配達時間や事務作業を極力減らす必要があります。配達回数を減らし、ゆうパックでの発送を増やしていきます。そして、個人のお客様宛には、新たに『旬のお野菜おまかせセット』をスタートさせます。お客様の御注文に合わせるのではなく、こちらの畑やお野菜の状況に合わせてセレクトしたお野菜を詰め合わせ、定期的にお届けします。詳細は別途紹介します。
むぎわらぼうしを卒業するに際し、お客様からたくさんの暖かいお言葉を頂きました。本当にありがとうございました。試行錯誤が続くと思いますが、これからも西森ゆうじん農場の目指す農業を探求していきたいと思います。
我が家の経営スタイルが変わっても、季節は変わらず巡っていきます。3月には、毎年恒例になっている地元、緒方保育園の子ども達とのジャガイモ植えを行いました。(遅れている我が家の畑のジャガイモよりも先に!)良く晴れた気持ちの良い日で、近くにはきれいな桜が咲き、そして近所のおばあちゃん達も見学に来て、楽しく植え終わりました!
これからも変わらず、私はここにいて、「自分の唄」を歌い続けていきます。子ども達の輝く笑顔と未来のために。